ハイヒールに見る構造物としての存在感―靴は最小の建築(かもしれない)
本来であればヒールがある部分が空白になっていて、ちょうど土踏まずの裏あたりから突き出した部分によって均衡が保たれている不思議な靴。
最近寒いのでブーツばかり履いていたのですが、久しぶりにシューズボックスから引っ張り出してきました。
「歩きにくいでしょう?」と尋ねられますが、答えは「ノー」です。むしろ結構安定感があって、軽くなら走れるくらいです。困ることといえば、満員電車に乗ったときにヒールのない空間に他の人のつま先が入ってきて身動きがとれなくなること、でしょうか(笑)(冗談みたいだけど実際あった話です。)
そして、わたしが好きなwhitemuteさんのTumblr、「日日是冬寂」にもUNITED NUDEの靴が紹介されていました。
ユナイテッド・ヌードのイームズパンプ。
靴が好きなら一足くらい持っててもいいかな~と思いまして。
ゴールドのパンプスは前からピンとくるものがあれば一足欲しかった(シンプルな装いにアクセントになるし、季節問わず使える!)ので。
兎にも角にも斬新なヒールですが、見た目とは裏腹に安定感があり、細めのヒールより余程履きやすい気がします。via @日日是冬寂
そこから「靴好き、共通項ですね!」と会話が盛り上がったのですが、そのやりとりのなかで出てきたwhitemuteさんの靴に対する表現がほんとに絶妙で。
ずっと言語化できなくてもやもやとしていた霧がすっきり晴れた感じだったので、それをそっくりそのままタイトルにさせていただきました(ありがとうございます!)。そして、会話にでてきた印象的なことばもピックアップさせていただきます。
履いていない時も、一つの構造物として独立した存在感がある
たかが靴、されど靴なんだなあとしみじみ思いました。靴屋さんや靴売り場に居るとディスプレイされた靴にドキドキします。特にハイヒールは履いたときも履いていないときも素敵。
靴は最小の建築。美しい。しかも履ける。楽しい!笑
至言…!
10cm超えるヒールなんて歩きにくいのに、なんでこんな形にする??と思ったりしますが、ちっさい建築だから大丈夫。歩けるように設計されてるから。
たとえばこれもそうですよね。どこからどう見ても靴には見えないけど。
れっきとした「靴」です。
これもUNITED NUDEので、「NOVA SHOE」という名前のハイヒールです。
(ある日歩道橋を見て「ああ、そろそろ新しいハイヒールが欲しいなあ…」と思った私の思考回路は何ら間違ってないと主張したい。)
本国のサイトをリンクしましたが、イキシアさんの運営で.jpのページもあるようです。
「NOVA SHOE」は、履くことはできても履きこなすのはかなり難しそうなので、もし2足目のUNITED NUDEを手に入れるなら「STEP MOBIUS PUMP」か「LO LES PUMP」 あたりが欲しいなあ。
http://www.unitednude.com/step-mobius-pump-cherry-patent-leather-1640
ちょうどセールになってる。€ 210,00だから約3万円かー。
http://www.unitednude.com/lo-res-pump-burgundy-rubber-1526
Perfumeの3人にこれを履いて思いっきりダンスしてほしい!!
UNITED NUDEについて
ソーホーのプラダの店舗デ ザインなどを手がけるオランダの建築家レム・コールハースの甥、レム・D・コールハース(Rem D Koolhaas)がデザインしたシューズ 「UN(United Nude)」。イギリスの靴職人ガラハド・クラーク(Galahad Clark)と製作された作品には、アート、建築、ファッション、そしてテクノロジーが見事に結集している。
ブランド名の由来は、「プロダクトの発展は、インターナショナルチームによって生み出されて進化し(United)、そのチームが自由に素直な気持ちで(Nude)意見を交わし合える環境から発展する」という一つの事実からきている。
コールハースがミース・ファン・デル・ローエのバルセロナ・チェアに着想したという靴のフォルムは“∞ (無限大)”。建築的構造が、靴という手法を取ることで、かつてないほど人体に密接になっているというのもコンセプトのひとつに上げられる。
合わせて2012年にUNITED NUDE日本1号店が上陸したタイミングでのインタビューも是非。
【インタビュー】「UNITED NUDE」レム・D・コールハース - 独創的なシューズのデザインに迫る - | Fashionsnap.com