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枯れないブルーローズと芸術の秋のはじまりのこと

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http://www7b.biglobe.ne.jp/~h_northwest/97_SoundRange.html

3歳からヤマハ音楽教室でピアノとエレクトーンをやらされ、小学校の頃にNHKコンクールに常連の合唱部に入れられ、せっかく合唱部に入ったのに「あなたの声はみんなと溶け合わない」と顧問の先生にと言われ、結局ピアノ伴奏係に。

中学に上がる頃にはかなりピアノが嫌いになっていたのだけれど、母が怖くて言い出せず、ちっちゃな抵抗で音楽に関係がない放送部に入ったものの、部の活動が少なすぎるからもっとちゃんとした部活に入り直しなさいと辞めさせられ、ブラスバンド部に途中入部することに……。

ヤマハジュニアオリジナルコンサートのために(嫌々)作らされた曲でうっかり賞をいただいたその特典で、オーケストラと共演させてもらったことだけは今でもラッキーだったなと思うけど、なんだかずっと「母にやらされてる感」しかないまま音楽と関わりつづけていたのでした。

そのせいで、音楽に日常的に接していたあの頃の記憶は、よっぽど嫌な記憶だったのかほとんど記憶に残っていなかったのですが(苦笑)。
先日、あの有名なサントリーホールで開催された 「サントリーホール フェスティバル2014 オープニング・フェスタ」というクラシックコンサートにご招待いただき、本当にひさしぶりにクラシック音楽に触れ、ブラスバンドなのになぜかオーボエという楽器に指名され悪戦苦闘していたあの頃の記憶が怒濤のようによみがえってきたのでした。

すっかり欠けていた過去の記憶がよみがえったきっかけは 「世界一美しい響き」を誇るホールに響き渡るまろやかで可憐なオーボエの音でした。「オープニング・フェスタ」では有名な楽曲を中心にプログラムが組まれていて、オーケストラのみの演奏だけでなく、オルガニスト、ピアニスト、ヴァイオリニスト、 フルート奏者、ソプラノ歌手、テノール歌手といったスタープレイヤーの方々との協奏曲もたくさんありました。

すっかりご無沙汰していたとはいえ、部活の卒業演奏会で演ったことがあったホルスト組曲『惑星』の中の「木星」を聴いていたら、自分の吹いていたパートの旋律が鮮明に頭の中によみがえってきて、ちゃんと覚えてるもんだなあと自分の記憶にちょっと感心したり…!

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Flickr: The Oboe Pool

どの演奏を聴いてもついついオーボエ奏者に目が行ってしまったのですが、音はもちろんだけど、見た目も木管楽器のなかで一番綺麗で格好良いなあと惚れ惚れしてしまいました。キーのキラキラがやっぱ良い。

ピアノやエレクトーンの発表会、合唱コンクール吹奏楽コンクール、いろいろなコンサートホールで演奏させてもらったり聴きに行ったりしましたが、大概ホール前方に舞台があって、その舞台に対して平行に客席があるタイプか舞台を客席が扇型に囲んでいるタイプだったので、サントリーホールのような舞台を客席がぐるりと囲むタイプ(ヴィンヤード=ブドウ畑形式というそうです)は初めてでした。

普段はホール内の撮影はNGですが、「オープニング・フェスタ」ということで演奏中以外は撮影OKをいただいたのでパチリ。

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どんなに頑張ってオーボエを吹いてもラーメン屋台のチャルメラみたいな音しか出せなかった私でも、サントリーホールで吹いたら「もしかしたら私なんかでもいい音出せるのでは?」としあわせな勘違いをしてしまいそうなくらい、心地の良い響きの演奏を聴かせてくれるホールでした。


ちなみに、さすがサントリーさんのホールというだけあって、 壁面の内装材にはウイスキーの貯蔵樽にも使われるホワイトオーク材が使われているそうです。

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大ホールの手前にある「ブルーローズ」という小ホールではタンゴやソーシャルダンスが繰り広げられており、ホワイエには着飾った華やかなお客さん達がわんさかいて、まさに"大人の社交場"という雰囲気で終始圧倒されっぱなしでした。写真は小ホールの入口にかざられている青いバラです。

本物だと思い込んでいたのですが、彫刻作品らしいです。
永遠に枯れないブルーローズ。

なんだか嫌々やらされてたという思いが非常に強かった音楽も、時間が経ってこういう風に向き合ってみると「ピアノもオーボエも実は結構好きなんじゃん、私」と素直に思えたのが今回最大の収穫だったかもしれません。

という感じで、すてきなイベントにお招きいただいたおかげで今年の秋はめずらしく食欲でなく、芸術の秋でスタートすることができました。オーボエもまた吹いてみたいけどあの楽器すごい高いからなあ……まあ、いつかまた。いつかね。

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