あの海のテトラポットの色
田野畑駅から海を臨む。三鉄の車両を模した建物の奥に見えるのは、テトラポット。
昨年秋にNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地となった北三陸を訪ねました。三陸鉄道北リアス線は、東日本大震災の影響で「小本~田野畑駅間」は現在も運転を見合わせています。
久慈駅から出発して、終点は宮古駅ではなく田野畑駅。
三陸鉄道の車内では、沿線の見所を案内するアナウンスが流れます。
「あそこは夏ばっぱが大漁旗を振っていた場所です。」という解説に合わせて運転士さんが速度を落として、ゆっくり走ってくれます。
そんな、私のような「あまちゃん」のロケ地を巡りに来た人向けのやわらかい解説に混じって、久慈駅を出発して野田玉川駅を越えたところくらいで車掌さんが淡々とアナウンスされていた解説が、いまも頭から離れません。
それは、テトラポットの色のことでした。
ぼんやり見ていたら全然気付かなかったと思います。たとえ気付いても、色の濃く見えるダークグレーのテトラポットは海水に濡れているもので、白くみえるものは波に濡れていないものだと勝手に思い込んでいたかもいれません。
新しく積み上げられたテトラポットはコンクリートの色がまだ新しく、遠目に見ると真っ白に見えました。というか、ほとんどのテトラポットが真新しい白さで、陽の光を反射していました。
「新しく積み上げられたのが白いテトラポットです。」
車掌さんの解説は多分、それくらいシンプルなことばだったように思います。でも、それはつまり多くのテトラポットが流されてしまったということを意味するのだと頭の中でその言葉と情景がつながったとき、何もことばがでませんでした。
3年経った。いよいよ、やっと、トンネルのその先へ。
2014年4月6日(日)にいよいよ三陸鉄道が全線運行再開となるそうです。とても楽しみです。
わたしは東北新幹線の運転再開告知のこのコピーがとても好きです。
町がつながれば、乗り物は人を乗せてまたレールの先へとつなげてくれる、はず。北三陸、また行きたいな。今度は宮古まで三鉄に乗って行ってみたい。
そして、ほぼ日さんのやってるコレ↓が一番今の気持ちに近いかもなあ、なんて。
忘れないというより、あらためて知ろうよ。ほぼ日の3月11日特集。 - ほぼ日刊イトイ新聞
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